- 2018.08.30
- 気になる 扶養範囲内給与の計算
Q. パートタイマーを中途で採用。扶養の範囲で働くための給与設定は?
パートタイマーとして中途採用で雇用しようとしたところ、本人から夫の扶養の範囲で働きたいという希望があり、前職も夫の扶養に入っていたとのこと。当園でもこれまでと同様、税法上の扶養の範囲で、週3日勤務する予定です。どうしてもほしい人材なので、希望に沿うようにしたのですが、この場合、賃金をどのように決めればよいのでしょうか。
A.パートタイマーの合計所得金額が38 万円以下であれば、本人の収入に所得税がかからず、夫は配偶者控除が受けられるという、いわゆる扶養の範囲におさまります。
解説☝
ここで、所得金額が38 万円以下とは、年収入(年収入とは:その年の1月から12月までの収入をいいます。)でいうと103 万円(給与所得控除額65 万円と所得税の基礎控除額38 万円を加算した額)以下をいいます。
収入が貴園の給与だけであれば、貴園での給与収入が年間103 万円以下になるように設定すればよいわけですが、貴園に採用になる前の収入がありますので、採用前の収入についてもあわせて考える必要があります。つまり、給与収入は採用前の給与と貴園の給与を合算した金額から給与所得控除額の65 万円を控除した額が38 万円以下であれば、引き続き扶養となります。
【例】①当園での給与収入:90 万円 ②採用前の給与収入:12 万円
給与所得 = 給与収入-給与所得控除 =(90+12万円-65万円 = 37万円
∴合計所得金額が38 万円以下となりますので、この設定であれば引き続き扶養となります。例では、年間の給与収入を90 万円としていますので、月額の給与は7万5千円(賞与なし)となります。
中途で採用され扶養の範囲で勤務するパートの場合、採用前の収入も考慮し給与設定をする必要がありますので、前職の収入については源泉徴収票等を提出してもらうなど労働者から報告してもらう必要があります。
(参照:日本法令)